'文化'資源としての<炭鉱>展@目黒区美術館

炭鉱に焦点を当てた美術展です。
・炭鉱の仕事、生活を描いた絵画、イラスト
・組合の機関紙の表紙を飾った版画
・組合のポスター
・写真
・炭鉱のある風景を描いた絵画
とにかく盛り沢山で、その質、量ともに圧倒されました。
炭鉱で働きながら(または働いた経験、記憶をもとに)作品を描いた(いわゆる)炭鉱夫美術家の作も多く、ステロタイプの表現ではない本当の炭鉱の姿が垣間見えたように感じました。
今の日本だと炭鉱の存在はほとんど話題になりませんが、明治から昭和にかけて近代化から高度成長期に果たしてきた役割は改めて説明する必要も無いと思います。
近代史を知る上でも、労働運動への影響を知る上でも重要な存在です。
 
別棟の区民ギャラリーで展示されていた川俣正さんの作品も見ごたえ充分でしたが、残念だったのが、自分が行ったときに居た係員*1の対応。
この作品は、ギャラリーの一室を完全に占めるほど大きく、その中に入って*2見ることができるのですが、何も表示が無く、係員もただ黙って座っているだけ。
入っていいのか聞くと「入っていいです」と答えるだけ。
美術作品は、多くの人々に見てもらって、理解したり、何かを感じ取ってもらって、初めて意味を持つもの。
美術館の関係者なら、積極的に作品を見せる姿勢を持ってもらいたいと思いました。
 
会期は12/27まで。
巡回展は無いようです。
ちょっとでも興味のある人は是非。

*1:年配の男性でした

*2:真ん中の通路部分だけですが