Less and More - The Design Ethos of Dieter Rams@府中市美術館

去年11月から今年1月にかけてサントリーミュージアム天保山」で開催されていたときから、見に行きたくて情報を集めていた美術展を見てきました。
Dieter Ramsは、ドイツを代表する工業デザイナーで、BRAUN社のデザインチームを長期に渡って主導してきた人物です。
Ramsが手掛けた製品が多岐に渡るためか、会場の展示も?なところがありました。
もし充分なスペースがあって、製品分野ごとに、明確に年代順に並んでいたら解かり易かったかもしれません。
それでも、自分にとっては、会場に居るだけで嬉しくなってくるような美術展でした。
 
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自分が小学生の頃*1、日本の工業製品は世界のトップではありませんでした。
電化製品など、実際に買うのは日本製でも、憧れるのはアメリカ製かドイツ製。
オーディオに興味を持つようになった中学生の頃、自分の憧れは、アメリカ製ではなく、虚飾を廃したドイツのオーディオ機器でした*2
でも、ドイツのオーディオ機器の多くは、日本に輸入される事はなく、雑誌の記事で写真を見るだけ。
それが今日、目の前にたくさん並んでいたわけです*3
多分、会場内でにやけてました、自分w
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Less and More
会場内で上映されていたビデオでも、Rams本人が何度も「より少なく」というコメントをしていました*4
虚飾を廃した、より機能に忠実なモノ作り・・・これこそRamsが一貫して、やってきたことなのですね。
 
LESS BUT BETTER
図録の最後のページのイラストの中に書かれていた言葉です。
自分は、(一般的に言うところの)デザイナーではありませんが、モノを生み出す仕事をしています。
この言葉、胆に銘じておきたいと思いました。

*1:昭和40年代

*2:大学生の時、生録用に、SONYのデンスケではなく、UHERの4200 Report Monitorを買ったぐらい

*3:触ることも、音を出す事もできないのですが

*4:ドイツ語は判らないので、日本語の字幕ですが