Bird Strike

昨日、会社で雑談をしていて、風力発電の話題になりました。
雑談相手は、自分より少し年上、50代のお偉いさん達。
うちの事業としては、風力発電より太陽電池の方が関わり易い(というか既に薄ぅ〜く関わってる)のですが、太陽電池パネルは製造段階からLCAを考えると環境負荷が軽いとは言えないわけで、お偉いさん達には風力発電が理想のエネルギー源に見えているようでした。
ちょうどNE(日経エレクトロニクス)誌7/28号に解説記事があったので紹介しつつ、Bird Strikeの話をして釘を刺しておきました。
 
Bird Strikeは、
一般的に、鳥が飛行機や高速鉄道と衝突することを言うのですが、最近は風力発電のブレードとの衝突もBird Strikeと呼びます。
相手も移動している航空機と違って、地面に設置されている風力発電の羽根ぐらい避けられるように思うのですが、そうではありません。
実際の風力発電所を例に計算してみます。
横浜にあるハマウイングですが、横浜市地球温暖化対策事業本部のHPにある諸元表に
・ブレードの直径 : 80m
・回転数 : 9〜19rpm(回転/分)
とあります。
ここからブレードの先端の速度が、9rpmで135km/h、19rpmで286km/hと計算できます。
優雅な外観からは想像も付かないほど、高速でブレードが動いていることが解ります。
音も無く(風切り音ぐらいはするか)、時速200km/hで近付いてくるブレードを、鳥達は避けることができないのです。
実際、風力発電所の周囲には、肩翼を切り落とされたり、首が切り落とされた鳥の死骸が落ちているそうです。
そして、今のところ効果的な解決策は見つかっていません。
このまま風力発電所を増やせば、被害に遭う鳥が増える一方になります。
 
でも日本のメディアは書かない。
自分が今まで読んだ(立ち読みを含めw)、日本語で書かれた一般的な本や雑誌で、Bird Strikeのことが記事になっているのを見たことがありません。
見たのは、専門誌のBIRDERぐらい。
もちろん、先に揚げたNE誌にも書かれていません。
国内でも事故が起こっているはずなのに、テレビやラジオでも全く報道されることがありません。
何故なんでしょう?
・・・なんかねぇ、政治的な意図が働いてるなんて思うのは、勘ぐり過ぎですかね。
というわけで、たまには真面目なことを書いてみました。