歌わせたい男たち

2005年に初演され話題になった作品の再演。
2〜3月に紀伊國屋ホールで上演され、そのあと全国18会場を廻る地方公演中です。
静岡は、うちの近くの会場だったので、仕事終わりに行ってきました。
 
舞台は、卒業式当日の都立高校の保健室(と屋上)。
ストーリーは、君が代にまつわる教師同士のやりとり。
 
出演者は5人
・自身の思想信条を曲げて*1までも、10.23通達*2従う従わざるを得ない校長(大谷亮介)
内心の自由を説き、不起立、不斉唱を貫く社会科教師(近藤芳正)
・思想よりも、式を穏便に済ませたい若い英語科教師(中上雅巳)
・ただ騒動を楽しんでる養護教諭*3(小山萌子)
・苦手なピアノを人前で弾くことが一番の心配事なのに、いつの間にか騒動に巻き込まれている、シャンソン歌手崩れの音楽科講師(戸田恵子)
5人全員が、実にリアリティを持って迫ってきます。
 
飛びかう本音と建前、詭弁に名古屋弁w
重くデリケートなテーマを軽妙に笑いを交えながら表現していましたが、心に響くものがあり、色々と考えさせられました。
結末も、ぎりぎりの大人の決断と言ったところでしょうか。
 
劇中、近藤芳正さんの歌うシャンソンは、面白いと言っては失礼ですが、味があり詞が心に刺さりました。
戸田恵子さんの歌うシャンソンは、とても美しく、心に沁みました。

*1:曲解とも詭弁とも・・・

*2:2003年10月23日に東京都教育委員会が公立の学校に対して示した「国旗・国歌に関する通達および実施指針」のこと

*3:保健の先生